体調を崩してしばらく派遣で

私は、専門学校卒業後、正社員で、ある会社に就職しました。年中寒い所での仕事だったことと、シフト勤務だったということもあり、その後、体調を崩してしまい、入院する事となりました。そこで、医師から、この仕事を続けている限り、体調悪化と入院は避けられない。何度も繰り返すと手術となると言われました。そこで、もったいないとは思いましたが、仕方なく退職する事となりました。

その間、就職活動をする時間がありませんでしたので、退院後、ハローワークに通い、何とか正社員で職を探すもなかなか良い仕事に巡り合えませんでした。ですが、田舎から出てきて一人暮らしでしたので、生活するにも家賃を払うにもお金が必要です。期限が近づいてきて、貯金も減ってきて焦りを感じ、「とりあえず派遣でしのぐ」という目的で働き始めたのが、約10年の派遣生活の始まりでした。

その後は、面接を受けなくていいこと、(面談はありますが)、履歴書を書かなくていいこと、職番の雰囲気を前もって知れること、会わなければ辞めたらいいという気持ちでずっと派遣生活をしていました。

働き始めるまでには、まずは登録会の申し込みをしました。すぐに日にちが決まり、その日に尋ねてみると、注意事項や派遣社員としての在り方、勤務報告方法などの説明や、簡単なテストがありました。そうして登録が終わり「すぐにでも働きたい」と意志を伝えていたので、次の日には希望していた事務の仕事の提案をもらいました。それを了承し、日にちを合わせて企業訪問です。初めてだったので、本当の面接のようなやりとりが行われるのだろうと思っていましたが、面接という雰囲気ではなく、今まで行った業務の内容の確認程度で顔合わせが終了し、無事にその企業で派遣社員として働く事となったのです。

働き始めてからは、「えっ?この程度でお金をもらっていいの?」というような簡単なお仕事ばかりしていました。やはり、良くも悪くも、社員さんから仕事を頼まれる立場ですので、内容は簡単で単純でもありましたし、指示通りにこなせばいいので、責任感も少なく、気持ち的にも大分楽でした。ですので、ボーナスや通勤費は出ないが、派遣社員の方が気持ちの面でも楽だと感じていました。

不満だった点は、名前ではなく「派遣さん」と呼ばれたり、他の派遣の方がミスをしたり、無断欠勤などをしたときには「これだから派遣は無責任で困る」といったような事を言われる事でした。社員さんからの依頼によって仕事をもらっていましたが、中には自分が出来ればやりたくない、複雑で面倒な仕事を押し付けてくる方もいたので、困った経験があります。それからは、契約期間が来るたびに、更新したり退職したりを繰り返しました。

自分が希望するのは「事務」と決まっていましたが、派遣元から提案されるお仕事は、自分では想像もできないような分野のものだったりしました。そこに勇気をもって飛び込んでみると、新たな分野のお仕事が経験できるし、話のネタにもなるので、良い経験が出来ているし、新しい事を覚えて勉強して知識が増える事がとても楽しいと感じていました。

そうして派遣で働く中、どうしてもやりたい仕事を見つけることができました。勉強をし、資格をとり、語学の勉強もしました。派遣として働きながら、正社員の仕事を探し続け、合格した会社が見つかりましたので、派遣のお仕事が終わりとなりました。現在、32歳ですが、周りの友達は勤続10何年の中堅となっているのに、自分は30すぎても、新入社員という少し悲しい気持ちになりますが、その分派遣社員として働いた期間の、いろいろな分野でいろいろな経験が出来た事が財産だと思っています。